海洋による石油の流出は、経済的な影響のみならず周囲の環境にも多大な被害を与える。

その影響は複雑であり、水質はもとより魚や海獣、水鳥などの諸生物にも被害を与え、かつ海洋生態系に至るまで深刻なダメージを与えるという報告もある。

しかし人がどれだけ注意しても、物理的な流通が行き来する人間社会では、事故の可能性をゼロにすることはできない。

だが少なくとも、これまでよりはるかに効率的に、流出した石油を回収できる可能性が示された。

まずは動画をご覧いただきたい。

 

 

米イリノイ州アルゴンヌ国立研究所が開発した新素材は、ポリウレタンとポリイミド樹脂でできたシンプルなフォームで構成され、シラン化合物によりコーティングされたものだという。

この新吸着剤は、“ソーベント”と呼ばれる従来の吸着剤とは異なり、油を搾(しぼ)り出しさえすれば、何度でも繰り返し使用できるという利点がある。

しかもその吸収率は、自重の90倍。一度の使用で焼却処理されていたソーベントとは異なり、廃棄物の発生という負担も軽減することが可能だ。

 

画像出典:YouTube(New Scientist)

動画のように、吸収した油をローラープレス機で絞り出せば、吸着剤自体は繰り返し使用することができる。

新素材を開発したセス・ダーリング博士とそのチームは、石油流出事故を再現するために6平方メートルのシートを用意し、プールでのシミュレーション実験を数度にわたって行った。

その結果、これまでの吸着剤よりも優れた吸収率が確認されたという。

ただし当面のところは、油の乳化分散剤が使用できない海岸線の事故での使用を目標としており、今後の可能性に向けて研究が続けられるという。

 

(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:YouTube(New Scientist)
参照:New Scientist/Sponge can soak up and release spilled oil hundreds of times
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)


この記事に関するまとめ