北極海の分厚い氷の下には、どのような生物が生きているのだろうか?

最後のフロンティアともいわれる海の底で、カメラが巨大なクラゲの姿を捕らえた。

 

 

北極圏での姿が撮影されたクラゲは、“アカクラゲ”と呼ばれるクラゲで、それ自体は珍しい種ではない。鉢虫綱のヤナギクラゲ属に属しており、日本でも北海道以南に広く分布するクラゲである。

しかし、その姿が北極圏の氷の下で撮影されることは極めて珍しい。

この映像は海洋生物学者のアンディ・ジュール博士らによる調査チームが撮影したものだが、彼らは米アラスカ州最北部ユトクィアグヴィックからチュクチ海にいたる氷上をスノーモービルで駆け巡り、分厚い氷に穴をあけては潜水カメラを沈める地道な調査を繰り返したという。

 
画像出典:YouTube(Earth Institute)

これまでアカクラゲは、春から秋にかけての数カ月の寿命しか持たず、越冬期にはポリプ(固着生活に適した姿)の状態で過ごすと考えられてきた。しかし今回の調査により、成体のアカクラゲが北極海で生息していることが明らかになった。

ジュール博士によると、北極海の海氷下がヤナギクラゲ属の越冬に適した環境である可能性があるという。その理由は、極低温の海がクラゲの代謝を低下させ、エサの少ない環境でも越冬できる状況を与えるからだ。

またジュール博士は、「海氷の下での生活は冷蔵庫の中で暮らすようなもので、全てが減速します」と語る。つまり北極に生活する多くの生物が、海氷に頼って生きていることを示唆するのだ。

 
画像出典:YouTube(Earth Institute)

しかし近年になって海氷の減少が加速されており、地中海を含む温暖な海域では他種のクラゲが個体数を激増させる事態が報告されている。

これらは主に暖かい海域での過剰な漁獲、沿岸の汚染などに影響されるとジュール博士は語る。しかし極寒の海域では逆の現象が起こる可能性があり、アカクラゲのような海氷の下で生息するクラゲは減少する可能性があるという。

ジュール博士はこうも語っている。

「気候の変動には、プラスとマイナスの影響があるのです」

 

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参照・画像出典:YouTube(Earth Institute)
参照:State of the Planet/Under the Sea Ice, Behold the Ancient Arctic Jellyfish
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)








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