4月4日付けの学術誌『Scientific Reports』に発表された論文で、ネコはネズミの捕まえ方から、缶を開ける音が何を意味するのかまで多くのことを知っており、さらには自分の名前も聞き分けているらしい、ということが新たな研究により確認された。

 

 

この論文を発表したのは、上智大学の心理学者である齋藤慈子さん。

これまでの実験で、ネコには人のジェスチャーを理解し、隠してある食べ物を見つけたり、飼い主の声を聞き分けたり、自分を見て名前を呼ぶ人に食べ物をねだったりする能力があることを明らかにしてきており、これらすべてがネコは自分の名前を聞き分けていることを示唆しているのだという。

実験内容としては、家庭や猫カフェで飼い主と見知らぬ人の両方にネコの名前を呼んでもらい、耳や頭の動き、尾の振り方など、名前を聞き分けていることを示すと考えられる反応を録画。

音が名前と似ている4つの名詞で呼びかけたり、家庭や猫カフェで飼われている他のネコの名前で呼びかけるなど、4種類の異なる実験を、のべ112匹のネコに対して行った結果、ネコは自分の名前に対して有意な反応を示すことがわかり、また飼い主が名前を呼んだ時だけでなく、見知らぬ人が呼んだ時でも興味を示したという。

これを踏まえて、「自分の名前のひびきと、食べ物や撫でられることなどのご褒美を結びつけて覚えているのかもしれない」と齋藤さんは説明。

さらにイヌとネコの反応の違いについて、ネコの反応はイヌほど熱狂的なものではなく、イヌは自分の名前に反応するよう生まれついている、と指摘。

人は、イヌが従順かつよく反応するよう何世紀にもわたり交配させた歴史があるが、ネコの方はヤマネコがネズミを追いかけて農村に入り込み、ほぼ自然に家畜化していった歴史を持つ。

おまけにイヌが家畜化したのはネコより2万年も早い、という点が挙げられる。

また10〜20年前まで、ペットのネコの大半は屋外でほとんどの時間を過ごし、家にいるのは夜や天気が悪い時だけだったが、近年のネコは室内で生活するようになってきたために今後も人とより密接に関わるようになれば、人の合図を読み取り反応する能力はさらに強まるかもしれない、と齋藤さんは考える。

結論としては「ネコの社会性は、進化の途上」なのだそうだ。

この論文を機に、イヌより“ネコ派”が今後さらに増えてゆくかもしれない。

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参照・画像出典:ネコは自分の名前を聞き分ける、上智大ほか研究 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト








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