村上春樹さん(66)は日本にとどまらず世界を代表する作家であり、また翻訳家でもある。

『グレート・ギャツビー』『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』など翻訳作は多数あり、まさに“日本語”と“英語”を自在に操る作家と言えるが、村上さんは高校時代は英語が苦手だったという。

では、どうやって英語を習得したのか? これまでの著書の中から村上さんが英語学習に言及している箇所を取り上げてみたい。

 

画像出典:Amazon/職業としての小説家 (Switch library)

学習法1 とにかく最後まで読む

村上さんは、高校時代の半ばから、英語の小説を原文で読むようになったという。ジャンルは、ミステリーやSF。神戸の港の近くの本屋で、英語のペーパーバックを一山いくらで大量購入して、ひたすら読む。ポイントとなるのは、意味がわからなくても最後まで読むこと。呼んでいる間はリズムを大事にして、辞書はなるべく引かないようにする。

英語のペーパーバックを一山いくらで買ってきて、意味がわかってもわからなくても、片端からがりがり乱暴に読んできた

引用:『職業としての小説家』

 

学習法2 英語漬けになる

常に英文の本を持ち歩いたりして、「英語を読む」状態にする。日本語はなるべく目にしない。本や、新聞、雑誌、電車の吊り広告すらも読まない。英語を読めるようになるには、英語を読むしかない。

僕は断言してもいいけれど、その辺の町の英会話教室で英会話を身につけるのはまず無理である

引用:『村上朝日堂 はいほー!』

 

学習法3 目的意識を持つ

おそらくこれが一番大事なのだが、村上さんは「目的意識を持つ」ことを強調している。高校時代の村上さんの目的意識は、「とにかく英語で小説が読みたい」という思いからだった。

「僕の経験からいうと、外国語というのは、必要に迫られればある程度は話せるようになる。逆に言えば、必要に迫られなければまず駄目」

引用:『村上朝日堂 はいほー!』

 

村上さんは、神宮球場でヤクルトスワローズ戦を観戦中に作家になろうと思い立ったのは有名な話だが、それからすぐに書き始めたものの、完成した小説はまったく面白くなかったという。

そこで村上さんは驚きの手法で創作に挑む!

英文タイプライターを持ち出して、小説の出だしを英語で書き出してみたというのだ。限られた数の単語を使って、限られた数の構文で文章を書いていく。そして、英語で書き上げた文章を日本語に翻訳していった。

こうしてデビュー作『風の歌を聴け』が生まれ、村上さんの独特の文体が確立していった。

現在はこの手法で書かれていないようだが、それだけ村上作品自体が英語との親和性が高いと言える。

なので、英語を学ぶうえで、村上作品の英語版を手にしてみることも一つの方法になるだろう。一部ではあるが、英訳されている作品のなかで、おすすめ作をご紹介したい!

 

1.『DANCE DANCE DANCE』(『ダンス・ダンス・ダンス』)
2.『1Q84』(『1Q84』)
3.『After the Quake』 (『神の子どもたちはみな踊る』)
4.『Kafka On The Shore (Vintage Magic) 』(『海辺のカフカ』)
5.『NHKラジオ 英語で読む村上春樹』

 

日本語版を読んで内容を把握して、英語版に挑めば読みやすいだろう。この中で『NHKラジオ 英語で読む村上春樹』は短編が多数収録されており、音声で聴けるのでおすすめだ。

もちろん村上流で、辞書はなるべく引かずに最後までなんとか読み通すことを忘れずに。

 

村上春樹『1Q84』プロモーションムービー|新潮社

 

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参照・画像出典:Amazon/職業としての小説家 (Switch library)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)








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